ギャルとはなろうとしてなるものではない。自分の好きな服、好きなメイク、いやすいコミュニティに属しているだけで自然とギャルになっているものである。奈緒美もまた、この時代に適応して生きていくためにギャルになった一人である。小さい頃からコンプレックスだった顔を誤魔化すために派手なメイクをし、心身ともにギャルではないと着ることのできないギャル服を着こなし、相手を威嚇し身を守るための武器のような、長くて派手で鋭利な爪を有している。すっぴんでは外を出歩けない、つけまつげは神が女の子へもたらした最強の武器と豪語する。そうして彼女はこの世界を生き抜いてきた。奈緒美は日々を楽しく過ごしている。若者らしい遊びは満喫しきっているし、男性経験は少なく見積もっても50人以上はある。彼氏はここ4ヶ月ほどいないが、一人なら一人で充分楽しんでいる。AVの撮影だってそうだ。セックスしてお金もらえるなんてラッキー、くらいの気持ちだったが、その非日常的なシチュエーションに思わず夢見心地になってしまった。羞恥心が余計に彼女を昂ぶらせる。ハマってしまうかもしれない。はは、ちょーウケるんですけど。