たった1時間ちょっとで何万ももらえるなんて、時給900円のカフェバイトなんかと比べ物にならない。莉乃は迷った。迷った結果ちゃちゃっとやって、記憶から消してなかったことにすればいいんじゃないか。そうすればやらなかったことと同じ。誰かに見つかっても、私じゃないよって否定すればいいし、そもそも見つかるわけない。そしてお金だけ増える。撮影が始まっても、質問には端的に答え、一応の愛想笑いもしておく。ひどいことされたら嫌だし、最低限のコミュニケーションはとっておかないと。カメラに映る表情に、時折思い悩んだ表情を見せる莉乃。まだここにいる状況を自分で受け入れたくないのか。形の良いおっぱいを揉まれ、色素の薄い乳首を褒められても、感じてしまってはなんだか自分の負けの様な気がした。「カメラ今回ってますか?」何度もそう確認した。AVなんてそんなに見たことないし、どういう順序かわからない。服脱ぐところも映すのかなって急に疑問に感じたから。おっぱいはあんまり感じないって言ってるのに乳首をずっと触ってくる。どう反応していいか分からずとりあえず窓の外を見ておいた。経験人数は20人くらい。もしかして多い方かも。可愛いって言われるしモテなくはない。誘われるがまま勢いでやってしまってということも過去にはあった。そういう時だってだいたい上の空で、あーだこーだ面倒くさい理由を並べて断るよりかはヤッちゃえばいいやって感じだった。性感帯は?とか好きな体位は?とか聞かれてもそんなの恥ずかしすぎて答えたくない。だって答えたらそれ今やりたいって言ってるようなもんでしょ?それは恥ずかしすぎる。まして感じる姿なんてカメラ回ってるのに見せられるわけない。でもさすがに入れられるともうどうしようもなく声がでた。息が荒くなるのと共にどうして声まで出ちゃうんだろう。悔しいけどもうだめ。アソコからも汁が溢れ出てるし、もう隠し切れない。